これから新年度を迎え、入学、進級、入社や配置変えなどで環境が変わる方が多くいると思います。楽しみな面もありますが、ドキドキしたり不安もありますよね。
うつ病が年々増えている、うつ病で自殺した人がいるなど悲しいニュースを耳にすることがあります。自分や家族、大切な人がうつ病になったら心配ですよね。
そこでこの記事では、
・うつ病とは
・うつ病の増加について
・うつ病と自殺の関係
この3点をご紹介したいと思います。
【うつ病はどんな病気?】
日常的に憂うつな気持ちになったり、食欲が低下したり眠れなかったりすることがあると思います。そのような時は原因を解消したり、気分転換などをして時間の経過とともに元気になったという経験はありますよね。
けれども、時間とともに改善しなかったり、悪化する場合は生活への支障も出てきてしまい「病気」としてとらえることがあります。「憂うつな気分」や「気分が落ち込んでいる」などの抑うつ気分がある程度強い状態がうつ病です。
仕事や家事・勉強などの社会的な役割がうまくできなくなり、人との交流や趣味など日常生活全般にも支障を来すようになります。
憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安、死にたいなどの心理的症状が続くだけでなく、周囲から見て、表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増えるなどの様子が見られたり、食欲低下や体のだるさ、性欲がない、頭痛、動悸、眠れないなど身体的な症状を伴うこともあります。
うつ病の分類は3つあり、
①身体因性うつ病
アルツハイマー型認知症のような脳の病気や甲状腺機能低下症のような体の病気、薬剤がうつ状態の原因となっている場合です。
②内因性うつ病
典型的なうつ病であり、脳内の神経物質の欠乏によるものと考えられています。抗うつ薬で効果がみられます。
③心因性うつ病
本人の性格や環境がうつ状態に強く関係している場合です。
抑うつ気分が長く続く時や、強い時は注意が必要ですね。
【うつ病の増加について】
うつ病は増加しているという話を耳にしますが、厚生労働省が実施している患者統計調査によれば、日本の気分障害患者数は1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいでしたが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、著しく増加しています。
精神疾患により医療機関にかかっている患者数も近年大幅に増加しており、平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えています。
内訳としては、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症の順となっています。 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。日本では中高年でも高く、うつ病に対する社会経済的影響が大きいといわれています。
ただし、うつ病は検査などで明確に診断できないため、診断される患者数にかなりの差がでてくるので十分増加したと安易に考えるのは注意する必要があります。
ですが、精神科や心療内科へ受診することへの抵抗感は少なくなり、今までためらっていた人も受診しやすくなったのではないでしょうか。
【うつ病と自殺の関係は?】
厚生労働省によると、救急病院に搬送された自殺企図者の約75%に精神障害があり、その内約半数がうつ病との結果が出ています。
うつ病は急増しており、4人に3人は医療機関での治療を受けておらず、もっと多くの患者がいることが考えられます。
残念ながら交通事故死者数よりも多く、海外の主要7か国の中でも男女とも日本が最も高い数字となっています。うつ病は死に関わる病気です。家族や周囲の人が自殺のサインに気づき、適切に対応したいですね。
抑うつ的な気分が強い時は、性格のせいかな?時間が解決してくれるかな?など考えてしまうと思います。さらに体のだるさなどの身体的な症状も重なり受診行動が遅くなりがちです。
うつ病は身近な病気です。心の健康を保つために心の健康作りや早期発見、治療などができるといいですね。
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